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友達 [だらだら]

 

友達がね、死んだのよ。

 

去年の今頃。

 

その友達は祇園の店で知り合った同い年の女。

 

普段でも着物をきて、と言っても飲み屋特有の「訪問着」みたいなイカついのは週末ぐらいしか着ないで、

本当に普段はアンティークな小紋や、本当にちょっとそこまでって言う着物をあっさりと着こなしてた。

 

着物で山登りをしたことのあるわけがわかんない女。

 

飲んだら潰れるまで飲んで、陽気で、時には踊ったりして盛り上げる天才だった。

 

皆彼女のことが好きだったし皆彼女と仲良くなりたがってたし、皆に優しい面倒みのいい子だった。

 

 私も彼女が大好きでよく一緒に飲みにいった。

爬虫類が好きで何やら謎の名前の蛇を飼っててね。

 

生まれて初めて飲み屋で蛇の餌のネズミの解凍方法はどれがいいって話を客(その客も蛇を飼ってた)と真剣に話してるホステスをみた。

 

素直な女で、笑ってると思ったら泣いてたり、何事にも一生懸命だった。

やめときゃいいのに妻子ある彼氏と付き合ってボロボロになってた事もあった。

 

そんな彼女には夢があった。

 

「私ね、沖縄に行って京都風の小料理屋さんしたいの」

ってよく酔っ払って話してた。

 

「私の人生っていつも男ができるとしたいこと全部投げ出してその人に一生懸命になっちゃうから中途半端やねん。だから今度の夢は絶対叶える。男がいてもいなくても絶対に実現したいの。じゃないと私の人生ってなんだったの?ってことになるやん?」

そんなこと言いながら淋しそうに。でも固く決意したみたいに。

 

沖縄に恋した女は

その年の冬沖縄に渡った。

夢を叶えるために。

今度は実現出来そうと胸を膨らませて。

彼氏と別れてまでして。

 

そんな彼女がその年の春に死んだ。

 

交通事故だった。

 

あっけないもので彼女はあっさり向こうへいってしまった。

夢の実現まじかで。

色々あった彼女の人生。

けして幸せとは言えない彼女の半生。

それでもいつも笑ってた彼女。

 

傷ついてきた人だから人一倍人に優しかった。

そして誰よりも揺るぎない愛を欲しがってた。

 

いつも淋しがりやだった。

 

自分のことを後回しにして好きな人の為に突っ走る彼女がやっと自分の為に生きようとしたその短かった期間。

やっと自分を大事にすることを知った矢先。

すこしでも彼女は幸せだったのかな?。

 

こっちにいる私は悔しいよ。

これからだったのに。

本当にこれからだったのに。

 

突然目の前に現れて。

本当に嵐のように現れて。

そして嵐のように去っていったあさみ。

畳の上では死ねない女の代名詞みたいな彼女はやっぱり最後も劇的だった。

 

淋しがり屋のあさみ。

 

いつも誰かを愛したがってたあさみ。

 

人と話すのが好きだったあさみ。

 

人の醜いところも許してたあさみ。

 

あさみみたいな子は二度と会えないだろうね。

 

たまに貴方に会いたくなるよ。

 

色んな事を話したくなるよ。

 

たまには助けてよ。

 

いつかそっちに言ったらそのときは面白い話を沢山持っていくから又飲もうね。

また酔って踊って暴れようよ。

 

そして神様に怒られようよ。

 

 

私たちはあさみを忘れないよ、絶対ね。

忘れられるわけないじゃん。

 

 http://asamix.ti-da.net/e661141.html

 

                ☆読んで下さって本当にどうもありがとう☆。

         皆様にいつも幸せが訪れますように…  。 ゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚。

 

                            Celina

 

 

 

 

 

 

 

 


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